誰に何を売るのかを明確にする

前回は「営業に対する考え方を変える」ことについて書きましたが、今回は誰に何を売るのかを明確にする=コンセプト設計について解説していきます。

本講座はフリーエンジニアのための営業講座という大きなテーマに沿った内容となっていますが、営業を行う前に、じっくり考え抜かなければならないのが、誰に何を売るのか?=コンセプト設計となりますので本講座を読んでしっかり学んでくださいね。

あなたは誰に何を売るのですか?

営業を行う前に、「誰」に「何」をが絞り込めていないと、せっかく営業して仕事を取ったにも関わらずあまり稼ぐことができず、貧乏暇なしの状況に陥ってしまう可能性が高くなってしまいます。

こうした状況に陥ってしまうほとんどのケースでは、

  • ターゲット(誰)が広い
  • 売りもの(何)が多い

のが原因と言えます。

私は小さなウェブ制作会社を営んでいますが、2008年の独立起業当時は私と相方のたった2人しか居ないにも関わらず、デザインからシステム開発、SEOなどウェブマーケティング全般までをターゲットも絞り込まずに売りものにしてしまっており、大きな失敗をしていました。

具体的な失敗に関しては売上的な意味でもそうですが、売りものが多いが故に、調べたり勉強することも多くなってしまい、結果的にハイクオリティな商品をお客様に提供できていない状況になっていたのです。

正直な話、営業上手であったり、自分を気に入ってもらい仕事をいただくなどの状況になれば、商品クオリティは関係がない部分もあります。

しかしながら最後に残るのはやはり「商品の質」であることに間違いありませんし、自分たちの売りものである「商品の質」を求めなければライバルにどんどん差を付けられ、気付いた時には手遅れになってしまいます。

そうした状況にならないためにも「誰」に「何」を売るのかを明確にする必要があるのです。

それでは下記で誰と何を明確にする作業について、私たちの具体例を挙げて解説していきます。

誰を明確にする(ターゲットを絞り込む)

まずは「誰」を明確にする作業としてターゲットの絞り込みを行います。この章では私たちの戦略の裏側を全て公開しますので是非参考にしてください。

先に少し触れましたが私たちは一般的なウェブ制作会社でした。(←過去形)

しかし失敗を感じてから戦略を練り直し、今では顧客の8割がウェブ制作会社様であり、そこに対してWordPressを用いたシステム開発の代行サービスを売り物として提供しています。

ですので、私たちのメインのターゲットは

  • ウェブ制作会社

です。
と、普通に考えればここで終わりですが、私たちは更にそこからターゲットを絞り込んでおり、

  • デザイン+システムの総合開発を行っているウェブ制作会社

と絞り込みを行なっています。

その理由としては、私たちの強みがWordPressを使った「システム開発」なので、システム開発を投げてくれる会社が一番ウマいからなのです。

ちなみに自分たちと同じ、またはそれ以上のレベルを持つシステム開発会社やアプリ開発会社はオイシクないためターゲットから除外しています。(論外です。)

規模での絞り込みは?

私たちの戦略を含めたターゲットの絞り込みについて解説してきましたが、まだ絞り込める状況ではあると言えます。

その一つとして「規模」です。

個人なのか法人なのか?
法人であれば規模は?(売上、従業員数等)

私たちの場合ですと、ひとり〜数名程度、10〜20名程度、50名程度、100名以上とクライアントの規模はバラバラです。

それこそ一人社長の個人レベルの方でも大きなクライアントを持っている方も居るため、規模の部分で言うと絞り込みを行う前にリピート客ができてしまったと言う感じです。

数名の規模でも予算があれば大きな仕事ですし、逆に100名以上の規模でも予算がなければ小さな仕事。規模よりも質の良い顧客をターゲットにすると良いでしょう。

エリアでの絞り込みは?

次はエリアでの絞り込みについてです。

このエリアの絞り込みに関してはふたつの考え方があります。

  1. 営業時のアポや取引後の打ち合わせなどで、自分が会いに行ける(行動できる)範囲
  2. 人口や企業の数が多いエリア(母数が多いエリア)

です。

1に関しては自分の職場(または家)から近いに越したことはありません。特に営業時のアポよりも、取引が始まった後で都度打ち合わせに行くなど回数が多くなれば、それだけ時間も交通費もかかりますので、注意が必要です。

例えば、関東に住んでいるのに、関西の会社(人)から仕事をいただく場合、あらゆる通信手段やツールを使いこなせる方とだ仕事をした方が良いでしょう。

次に2の母数に関してです。これも容易想像が付くと思いますが、東京都内など主要都市は人口密度が高くそれだけターゲットも多いことになります。

ちなみに私たちは地方でありながら、顧客の8割は東京都内です。主要な打ち合わせでない限り、直接会うことはなく、電話やスカイプ、チャットやメールで業務のやり取りを行なっており、ストレスはありません。

リピートを狙えるターゲティングを行え!

ビジネスそのものの戦略につながることですが、ターゲットを絞り込む際には必ずリピート発注を狙えるターゲットを設定してください。

私たちを実例に挙げると、メインのターゲットはウェブ制作会社様です。

ウェブ制作会社というのは一定量のクライアントを持っており、一定量の新規案件の話があるはずです。となれば、自分たちが日頃良い仕事をし、良いコミュニケーションと関係性を持っていれば、自ずとリピート発注が来ると考えられます。

これとは対象に一般企業(例えば製造業のサイトをリニューアルする)の場合、大きな金額が動くの初回だけで単発の仕事で終わってしまう可能性が非常に高いのです。ですので一般企業をターゲットにした場合、一定量の新規営業活動をする必要が出てきてしまうため、技術がメインのエンジニアには負担でしかありません。しかもプログラムを書くだけでなく、デザインやマーケティングのスキルも要求されるでしょうから、先に述べた器用貧乏になり結果的に稼げない辛く悩ましい日々を送らなければならなくなります。

何を明確にする(商品を絞り込む)

ターゲットの絞り込みと同時に考えなければならないことが商品の絞り込みです。

ここでも私たちを例に挙げて解説していきますと、2008年の独立起業当時から数年間はウェブ制作という広いテーマの中でもデザインの部分を売りにしていました。

私自身もウェブデザイナーでしたし、デザインは好きでした。また相方もウェブデザインが好きで得意でした。

しかしながらある時に気づいたことが「デザインは儲からない」ということ。

デザインを売りに(切り口)に仕事を取得しても、ウェブ制作というトータルなサービスを要求されてしまいます。だからと言って、飛び抜けたデザインスキルがあった訳ではなかったため、大手広告代理店から仕事が取得できるようなことは皆無。

デザインというのは見せることができるため一般企業を対象とした営業ツールとしては最高です。しかしほぼ全て商談で契約をいただく前にデザインを作る労力が発生していた。という大きなデメリットが潜んでいました。

私たちの場合、営業マンが契約を取るために営業資料を時間をかけて作るのとは少し違い、営業スキルがないため契約を取ったとしてもリターンが少ないという問題点が浮き彫りとなったのです。

売りであったデザインを潔く捨てた

デザインが儲からないことに気づいた私は、今現在の自分たちを見つめ直し、売りを見直し、新たな売りを作り出し、潔くデザインを捨てました。

その売りとなったものが、先にも述べた「WordPressを用いたシステム開発」です。

私自身にはシステムを開発できるスキルはありませんでしたが、相方がコードを書くのが好きだし得意だったのです。

売りを変え、今までの売りを捨てる。たった一つの売りものに絞り込んだことで、売上も安定してきたのです。

自分のポジションを考える(ポジショニング)

誰に何を売るのかを考える際にもう一つ重要となる要素がポジショニングです。

先ほどターゲットの絞り込みについて解説しましたが、ターゲット=お客様に取ってのあなたのポジションを戦略的に考えるようにしてください。

私たちの例を挙げておさらいすると、ターゲットは「デザイン+システムの総合開発を行っているウェブ制作会社」でしたが、このターゲットとなる制作会社の中には社内に優秀なエンジニアがいない場合もあるのです。

お客様にはシステム開発の部分もサービスとして提供しているにも関わらず、社内にエンジニアがいないとなると、営業の際に最適な提案ができませんので、イコール契約を取ることができないのです。

そこで私たちの出番。

エンドクライアントと話を進めている営業担当者と密にやり取りを行い、最適な提案・アドバイスをする役割を担っているのです。(稀ではありますが、案件規模によってはお客様の営業に同行することもあります。)

システム開発もサービス提供しているが、社内に詳しい人が居ない。その弱みを補うのが外部の私たちであり、それが私たちのポジションとなっているのです。

ポジショニング戦略を取る際は、あなたと同等のスキルを持つ人が居る会社をターゲットにするのではなく、その会社(もしくは人)にとってあなたが専門家としてポジションを取ることが、稼ぐ秘訣とも言えるでしょう。